株式会社ばんそう

【評価制度、こう使えば組織が変わるpart3】部下の成長を加速させるフィードバック BEyondFab 代表 島岡 なつ美×ばんそう執行役員 清水俊太郎

BANSO CHANNELの第10回はBEyondFab代表 島岡 なつ美さんをゲストに迎え、評価制度における制度と運用のバランスについて、部下自身が自らフィードバックを求めるような自律的な成長環境を整えることの重要性について解説していきます(全4話の対談)。

登壇者

島岡 なつ美

BEyondFab 代表

島岡 なつ美 Natsumi Shimaoka

シティグループやGAP、エスティ ローダー などの外資系企業において、20年以上にわたり人事・組織開発の責任者を歴任。これまで2万人を超える人材育成に携わり、リーダー育成による売上200%達成や女性役員比率30%の実現など、実務に直結する支援を行う。 現在はその経験を活かし、製薬・金融・小売など多業種において、評価制度の再構築や組織文化の変革を支援。次世代リーダーの育成からエンゲージメント向上施策まで、現場主義のスタイルで個人の成長と組織の課題解決を両立させる活動を展開。

清水 俊太郎

株式会社ばんそう 執行役員

清水 俊太郎 Shuntaro Shimizu

株式会社電通にて自動車メーカーや外資系IT企業のプロモーションキャンペーンプランニング、イベントの企画・実施運営業務に従事。2年間の米国ビジネススクールへの社費留学を経て営業部門に異動。外資系IT企業・外食産業および国内モバイル通信会社などのマーケティングコミュニケーション戦略、ブランド戦略、周年事業等に従事。電通上海支社長、グループのIT部門責任者、グループのサステナビリティ部門責任者を歴任。 2025年より株式会社ばんそうに参画し、マーケティング、プロモーション、ビジネスディベロップメントをリード。

評価制度における制度と運用のバランス

評価制度においては、「制度そのものの重要性は2〜3割であり、運用が7〜8割を占める」という大前提があります。そのため、制度の作り直しに終始するのではなく、今ある制度を組織の実態に合わせてどう運用するかを最優先に考える必要があります。制度が完璧でなくても、マネージャーと部下の間で丁寧なコミュニケーションが行われていれば、評価制度は機能します。反対に、どれほど精緻な制度があっても、運用がなされなければ意味をなしません。まずは現行制度の枠組みを活かしながら、対話の質と量を高めることが変革の第一歩です。

目標設定の重要性と具体化

評価制度を機能させる上で、目標設定のフェーズが成否の大部分を左右します。曖昧な目標は評価の恣意性を生み、社員の納得感を損ないます。目標は「何を・いつまでに・どの水準で達成するか」を具体的に言語化し、上司と部下が合意した形で設定されなければなりません。また、組織全体の方向性(ミッション・ビジョン・バリュー)と個人の目標が連動していることが重要です。目標が会社の戦略と紐づいていれば、社員は自分の仕事が組織に貢献していると実感でき、主体的な行動を引き出すことができます。

評価の公平性を高めるキャリブレーション

評価の公平性・透明性を高めるためには、キャリブレーション(評価調整会議)の実施が有効です。キャリブレーションとは、複数のマネージャーが集まり、評価結果を持ち寄って相互に確認・調整するプロセスです。これにより、特定の上司だけが突出して甘い・厳しいという評価のばらつきを是正し、組織全体で一貫した評価基準を維持することができます。キャリブレーションは単なる数値調整の場ではなく、人材に関する情報を組織横断で共有し、次の育成アクションにつなげる重要な機会でもあります。

継続的な対話とフィードバック

評価は期末に一度だけ行うものではなく、日常的な1on1や中間レビューを通じて継続的に実施されるべきものです。部下が自分の現在地を常に把握できる環境を整えることで、期末に突然低い評価を受けるといった不満や不信感を防ぐことができます。理想的なフィードバックとは、部下自身が「もっとフィードバックをください」と自ら求めるような関係性を築くことです。そのためにマネージャーは、批判ではなく成長支援としてのフィードバックを行う姿勢を持ち、心理的安全性の高い対話の場を継続的に作っていく必要があります。

マネージャーに求められる経営意識と役割

評価制度を正しく運用するためには、マネージャー自身が「人材は会社の最重要資産である」という経営的視点を持つことが不可欠です。部下の評価を単なる事務作業として捉えるのではなく、組織の持続的な成長を担う重要な意思決定として真剣に向き合わなければなりません。そのためには、マネージャー自身が評価スキルを継続的に磨き、自社の評価制度の意図と目的を深く理解しておく必要があります。人を育て、組織を強くすることへの責任感こそが、評価制度を形骸化させず、真に機能させる原動力となります。

<Part4へつづく>

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